2023年のフレグランス個人的ニュース総まとめ

投稿者 : 田中太郎 on


香水関連イベントやポップアップが増加の

新宿伊勢丹サロンドパルファン2023

新宿伊勢丹サロンドパルファン、コレテルノのブースにて

2023年はかなり多くの場所で香水関連おイベントが増加しました。特に予算に厳しい百貨店が売り場を香水のイベント向けに解放するのは「山が動いた」感じがあります。

など。

新宿伊勢丹 サロンド パルファン イン サマー 夏サロパ

夏サロパ、サノマのブース

 

仙台 藤崎 Kaori Lover

仙台・藤崎Kaori Lover

その他様々なイベントで賑わった2023年でした。イベントの数で言えば大小合わせて3桁にのぼった可能性すらあって、服やコスメなどに並ぶのでは?というレベル。

また香水の売り場面積も全国的に増加しています。今年に入り、二子玉川や渋谷などどの街を歩いていても明らかに新しいブランドのブースなどが増えた印象です。

印象的だったのは

など

熊本 アクアブーケ Fête de Parfum 2023 in Kumamoto
熊本 アクアブーケ Fête de Parfum 2023 in Kumamoto
アトリエマクリでのアトリエマテリ展示
アトリエマクリでのアトリエマテリ展示

タバコ香水の新作ラッシュ

キュリオノワール(CURIONOIR)


コンランショップ麻布台ヒルズ店にて展示のキュリオノワール

2023年に発売/日本初上陸を果たしたタバコ香水たち、50音順。私が把握しているだけで35本もリリースされていました。長くなります…

  1. 1. fogの『fir』
  2. 2. ZARAの『TOB 01 タバ&ジャズ』
  3. 3. ZARAの『TOB 02 タバ&タンゴ』
  4. 4. ZARAの『TOB 03 タバ トレジャー』
  5. 5. ZARAの『タバコ サブライム』
  6. 6. ZARAの『ラッシュ ベチバー』
  7. 7. アクア デレ ランゲの『ウダート』
  8. 8. アトリエ マテリの『カカオ ポルスレナ』
  9. 9. アトリエ マテリの『キュイール ニラム』
  10. 10. アベルの『ブラック アニス』
  11. 11. アムアージュの『オーパス 14 ロイヤル タバコ』
  12. 12. ヴェルサティル パリの『ギュルドボワ』
  13. 13. ウナムの『レリキア|聖遺物』
  14. 14. エイト&ボブの『ニュイ ドゥ ムジェーブ』
  15. 15. オーケストラ パルファムの『リキュール ビーピーエム』
  16. 16. オリバナムの『サフラン』
  17. 17. キュリオノワールの『タバコ ナイト』
  18. 18. キュリオノワールの『パブロ』
  19. 19. キリアンの『スモーキング ホット』
  20. 20. クリードの『タバローム ミレジム』
  21. 21. ゲランの『タバコ ハニー』
  22. 22. ス ル マントーの『オディジアーク ヌメロシス』
  23. 23. セルジュ ルタンスの『エクラン ドゥ フュメ』
  24. 24. ディオールの『トバカラー』
  25. 25. ナーゾマットの『サドナゾ』
  26. 26. バイレードの『アニマリーク』
  27. 27. バルチの『ペルベルソ』
  28. 28. ピエール ギョームの『アンチ ブルース』
  29. 29. ピエール ギョームの『リキュール シャーネル』
  30. 30. ブーディカ ザ ヴィクトリアスの『タバコ サファイア』
  31. 31. フエギアの『ニューヨーク』
  32. 32. ボーン トゥ スタンド アウトの『スモーキン ガン』
  33. 33. ボーン トゥ スタンド アウトの『ヒノキ シャワー』
  34. 34. メジウンの『ファッキング ビューティフル』
  35. 35. ヨウジ ヤマモトの『77-02』
ヴェルサティル パリ『ギュルドボワ』

ヴェルサティル パリ『ギュルドボワ』

桃香水の新作

メゾンマティン あらしのうみ

メゾンマティン『あらしのうみ』

2023年に発売/日本初上陸を果たした桃香水たち全10作品、50音順。一時期はXのタイムラインが桃香水ばかりだった時期もありました。

  1. 1. ウルリッヒ ラン ニューヨークの『サンクレスト』
  2. 2. ヘレティック パルファムの『ダーティ ピーチ』
  3. 3. メゾン マティン『あらしのうみ』
  4. 4. ラルチザン パフュームの『ア フルール ドゥ ペッシュ』
  5. 5. ドリスヴァンノッテンの『フルール ドゥ マル』
  6. 6. ZARAの『ピーチ グロウ』
  7. 7. ラッシュの『ピーチ姫 ボディスプレー』
  8. 8. クリーンの『スパークリング シュガー』
  9. 9. フェルナンダの『モモ』
  10. 10. メゾン クリヴェリの『パチョリ マグネティック』

    値上げラッシュ引き続き

    かなりの数のブランドが今年も値上げに踏み切りました。値上げをしてしまうと、その後なかなか売れなかったりするので、苦渋の決断かと思います。

    ZARAフレグランス今年も

    ZARAルイージ

    ZARAとルイージコラボの限定作品(2023年2月)

    今年も100を超えるフレグランスを発表した ZARA。ZARAの事ですので大抵は「ネタ元」が存在しています。しかし中には大物調香師を起用したコレクションも複数。

    特にフレデリックマルよろしく、ボトルに調香師の名前を記載したメンズコレクションを3月頃に発売したあたりから「ニッチ&ハイエンド路線」への舵切りが見て取れる様になりました。

    また9月には近年、表舞台にほとんど現れなくなったオリヴィア ジャコベッティによる4部作、その名も「オリヴィア ジャコベッティ コレクション」を発売。”白”をテーマにしたような、近年の高濃度ブームのような風潮に逆張りする引き算の集大成の様な作品が新鮮で楽しかったです。

    ↓ZARA『リーヴル ブラン』オリヴィアジャコベッティ

    ZARA『リーヴル ブラン』オリヴィアジャコベッティ調香

    トムフォード退任発表(2023年4月)

    2006年に性的で過激な広告とともに鮮烈なデビューを果たしたトムフォードのフレグランス。彼が自身のブランドから引退する事を発表したのは寂しいものですね。この人が表現の「ギリギリ」の基準を押し広げて来たと言えます(笑)。

    アール フレグランスのかぼすの香水発売(2023年4月

    オー ド アール アール フレグランス

    『オー ド アール』アール フレグランス

    日本発のブランド、アール フレグランスより久々の新作が発表。面白いのは「国産の原料でオーデコロンを作る」という発想。歴々のオーデコロンに敬意を払いつつ、オーデコロンに使われることの多い柑橘やハーブ類をあえて使わず、国産かぼすやルバーブなどで香りを組み立てた「アンチテーゼ」とした、という面白さ。

    肌に乗せると、かぼすのアクアティックな酸味が一気に拡散するとても良い香りです。私にはトップからもうベチバー(恐らく精油)が感じられる。かぼすやジュニパーの影に隠れてはいますがルバーブのほのかな甘みもあとあとよく伝わります。ミドルにフローラルがほとんど無いアロマティックな仕様で、柑橘とハーブと木ですので案外オーデコロンっぽさがあって腹落ち。

    日本のブランドでこのような挑戦がなされた事が嬉しい。

    ファッションブランドの香水デビューが

    アンドゥムルメステール『A』ポップアップ

    アンドゥムルメステール『A』ポップアップにて

    2023年も有名なファッションブランドのフレグランスデビューが相次ぎました。

    2023年に香水をローンチしたのは、

    など。ドリスやアンは尖ってましたね。最初のコレクションとは思えないぐらい。軟着陸させる気ゼロで好き

    ドリスヴァンノッテン フレグランス

    ドリスヴァンノッテン青山店にて展示中のフレグランス

    また「初」ではないものの、モンクレールからは本格的なハイエンドのフレグランスライン「レソメ モンクレール」がデビュー(2023年9月)。

    さらには百貨店であるバーニーズニューヨークまでが香水ブランドとしてデビュー(2023年6月

    バーニーズニューヨーク フレグランス

    バーニーズニューヨークにて展示されたオリジナルフレグランス

    人気ブランドが新ライン

    ビュリー レ ジャルダン フランセ

    ビュリー レ ジャルダン フランセ(公式サイトより)

    印象深かったのはこの2つ。

    ペンハリガン ポーションズ&レメディーズ(のディスカバリーセット)

    ペンハリガンの方は日本上陸はしていませんが、2024年には実現するかも知れませんし、来ないかも知れません。

    最近の「上陸していない」前例としては、例えばペンハリガンの日本代理店はブルーベル ジャパンなのですが、同社の抱えるブランドの1つ、ラルチザン パフュームの2022年開始のコレクション「ル ポタジェ」がまだ日本に上陸を果たしていません。

    もしかしたら何かしら契約や薬機法などの影響なのかも知れません。ですのでペンハリガンのポーションズもまだ分かりませんね。

    日本発香水の映画『魔女の香水』公開(2023年6月

    魔女の香水

    魔女の香水(公式サイトより)

    公式サイトはこちら。フレグランスをテーマとした邦画は珍しいのではないでしょうか。調香シーンの監修は日本発フレグランスブランド、パルファンサトリの大沢さとりさん。観に行こうと思っていたらあっという間に公開終了していた…。

    クルジャンの緑茶の香りが発売(2023年6月

    アクア メディア コローニュ フォルテ メゾン フランシス クルジャン


    アクア メディア コローニュ フォルテ(ラトリエ公式より)

    メゾン フランシス クルジャンの新作『アクア メディア コローニュ フォルテ』が発売。

    と同時に、これはかつてクルジャン本人が手がけた、エリザベス アーデンの『グリーン ティー』のセルフリメイクではないか?と話題に。私も肌乗せを両手でしてみましたが、確かに似てはいます。

    トムフォードがグッチの『ラッシュ』(1999年発売)をセルフリメイクしたのが『ビター ピーチ』(2000年)なのかな、と思ったりしていました。真偽は不明ですが。

    あとは調香師ミッシェル アルメラックがニコスの『スカルプチャー オム』(1995年発売)をセルフリメイクしたのが、パルル モア ドゥ パルファムの『ウェイク アップ ワールド』(2022年)ではないかともX上で教えて頂きました

    訃報 大物調香師の死去(2023年7月

    Olivier Pescheux

    Olivier Pescheux(Instagram本人の公式アカウントより)

    オリヴィエ ペシュー(Olivier Pescheux)が57歳で亡くなりました。

    調香師育成期間の名門、ISIPCAを卒業後、世界的なヒットにも恵まれた方です。まず有名なのは「ディプティックの主な調香師の1人」であることではないでしょうか。

    また世界的にはパコラバンヌのスパイシーな香り『1ミリオン』が圧倒的なヒットでした。個人的な思い入れはディオールのフルーティなメンズフレグランス、『ハイヤー』ですかね。10代後半の頃に愛用していました。惜しい人を亡くしたと思います。

    韓国ブランドBorntostandout日本上陸(2023年7月

    ボーントゥスタンドアウト 六本木リステアにて

    ボーントゥスタンドアウト 六本木リステアにて

    韓国の香水市場は日本の倍ほどもあるそうなのですが、そんな韓国からついにニッチなブランド、ボーン トゥ スタンド アウトが登場しまし

    Jun Lim Born To Stand Out

    Jun Lim(luckyscent Instagramアカウントより)

    オーナーのジュン リム氏は高学歴エリートのエネルギッシュな好青年の方でした。まだ33歳だって。実際お会いして一瞬お話しできましたがかなりのイケメンでした。

    BTSOの立ち上げ、すごくお金がかかっているんだそうです。ボトルのオリジナルの型を作り、大物調香師に制作を依頼し、とやっていて億に近いかそれ以上が注ぎ込まれたんだそう。

    韓国のブランドなのでどこかの財閥の系列かと思っていたら独立系だそうで驚きです。ゴールドマンサックスが出自のためファイナンスは得意なんでしょうね。

    何よりオーナーの香水への造詣の深さがこのニッチなラインナップを実現させています。本当に面白いブランド。なお新作も2023年10月に3つ発表されました。更には2024年の新作のアナウンスまでされています

    ボーントゥスタンドアウト新作お披露目会

    ボーントゥスタンドアウト新作お披露目会にて

    リシュモンがフレグランスへの注力を発表(2023年9月

    Boet Brinkgreve

    ボエ ブリンクグレーヴ(リシュモン公式より)

    カルティエなどを傘下に持つリシュモンがビューティ専門の新会社を設立する事を発表。大手香料会社のフィルメニッヒの元CEOボエ ブリンクグレーヴ(Boet Brinkgreve)をトップとして起用する事を明らかにしました。

    新会社の名前はラボラトワール ド オート パフュメリー エ ボーテ(Laboratoire de Haute Parfumerie et Beauté)。現時点でフレグランス事業の対象となるブランドは以下の6つ。

    新会社で何をするのかは不明。これまでカルティエ以外のフレグランスはコティインターパルファムが製造していましたが、もしかしたら既存のラインを撤廃し、これら2社との関係も切って、新会社での製造を1からやるのかも知れません。

    リベルタの新セミオーダー体験(2023年10月

    リベルタ パフューム エスプレッソ

    リベルタ パフューム エスプレッソ(新宿伊勢丹サロパ2023にて)

     新宿伊勢丹のサロンドパルファンで出展していたリベルタのセミオーダーサービス、「エスプレッソ」。ゲランに次いでサロパ全出展者中2位の成績だったと聞いております。

    これは高品質な香料を1〜3種類混ぜ、好きな組み合わせのフレグランスを作れるというもの。

    何が凄いかを掻い摘んで言うと、まず価格。3,000円〜5,000円ほどになるのですが、5万円だ7万円だと"家賃"と言われてしまうほど高騰している昨今のフレグランスの単価に真っ向から攻め込んだ低価格です。

    次がわかりやすさ。各香料をユーザーが直接嗅いで、気に入ったものをチョイスできるビュッフェのようなスタイル。香りに対する解像度が上がります。

    そして手軽さ。サクッと作ってその場で受け取れるので、その手軽さをもって「エスプレッソ」としたとの事。

    コアのコンセプトに香りの民主化を掲げるリベルタパフュームですが、学生や赤ちゃんを連れた若いママパパが並んでいたそうで、普通は香水の催事に来たくても中々来ることが難しいとは思うんですよ。それを実現できているのが凄い。

    ここまでやれたプレイヤーって2023年はリベルタが圧倒的だったんじゃないかなと感じました。

    麻布台ヒルズ、オープン(2023年11月

    フエギア麻布台ヒルズ店、ワイン

    フエギア麻布台ヒルズ店にて(ワインはボデガチャクラのバルダ)

    フエギア1833やNose Shopも出店した麻布台ヒルズ。行ってみると面白いお店が多く、近隣の会社員や住民でごった返していました。レストランやカフェも大混雑。

    フエギアではワインも飲める仕様で、以下の3種でした。

    • プレンタ エステートのカベルネ ソーヴィニヨン 1,300円〜
    • ボデガ チャクラのバルダ I,400円〜
    • ボデガ チャクラのマイケ シャルドネ 2,200円〜

    また白眉だと思ったのはコンランショップ麻布台ヒルズ店のみで展開開始した日本初上陸のニッチフレグランスブランド、キュリオ ノワール

    キュリオ ノワール コンランショップ麻布台ヒルズ店にて

    キュリオ ノワール コンランショップ麻布台ヒルズ店にて

    ちょっとした香水スポットがまた一つ増えました。

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